
ヒアリング対象:港湾運送事業者(姫路港)
ヒアリング時期:平成8年12月
1. 事業概要
現在の取扱貨物はバラモノが主体である。くず鉄、古紙ともに取扱量が減少している。収益も横ばいないしは減少傾向にある。メーカーからのコストダウン要請は厳しい。
2. 従来の取り組み
姫路港はバラモノ主体の港湾として貨物取扱量を増大してきた経緯がある。バラモノの取扱は大阪港から姫路港にシフトし、さらに、岡山にシフトしている。メーカーや商社には、姫路港はバラモノ取扱港としての印象が強い。
20年前に、宮崎県経済連の冷凍野菜コンテナを一船50〜60本の規模で取り扱ったことがあったが、姫路での消費が3本に留まり、結果的に、大阪港に寄港することになった。
3. 今後の取り組み
これまで、背後地産業の鉄、木材を取扱い業容を拡大してきたが、今後は、背後地産業の動向を見据えながら、他の荷物を取り扱う生き残り策を探っていきたい。
営業企画チームを編成し東播磨、西播磨の荷主にセールスをしている。小口荷物はあるがロットは小さいのが現状である。海貨事業者として混載貨物の取扱が中心になると思う。
4. 工業関連の貨物取扱スペースの確保
現在、飛鳥の寄港など観光港として姫路港の発展を見いだそうとする動きがあるが、姫路港は工業港として発展してきた経緯がある。環境問題への関心が高まる中で、原料の野積蔵置も問題視される傾向もある。今後、姫路港の中で工業関連の貨物取扱スペースを確保していくことも重要である。
5. 姫路港利用の条件等
韓国船社、邦船社向けに100本/日の取扱をめざすとなると、現在の3倍のCYが必要である。コンテナ航路が定着し、活動が本格化していくると、中島地区の多目的クレーン、ヤードでの対応には限界がくると考えられる。長期的には、広畑地区でのコンテナ荷役を考えるべきだと思う。
6. 神戸港との賃金格差
姫路港で港湾運送事業に就業する高校卒業者の給与は、神戸港の同業者よりも低い。このことが、若年労働者の確保難の要因の一つとなっている。
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